介護ブログ

介護福祉士になって良かったと思うこと

特別養護老人ホームで介護福祉士として働く中で、良かったと思うポイントを紹介します。ただし、以下は私自身の個人的な感想であり、また私が現在働いている労働環境(施設環境)であるため、すべての介護職の方に通ずるものではありませんので、あくまでも参考としていただければと思います。

ポイント①休日が多い

家族の休日

現在私が働いている特別養護老人ホームでは、年間で120日の休みが保証されています。また、有休もある程度自由に取得する事ができます。そういった理由により、私が介護福祉士としてこの特別養護老人ホームで働いている一番の理由に挙げられるのは休日が多いことだと言えます。

この記事執筆時点で、私には6歳と9歳の子どもがいます。まだ手のかかることが多く、また、家族の時間を多く持てるという意味でも休日が多いのは何よりありがたく思います。

ただし、休日が多いといっても週末や祝日といった一般的な休日に休めるかと言ったらそうでもなく、むしろカレンダー通りの休みは多くは取れません。私の家族の場合、妻が土日祝日が休みのパートであるため、逆に夫である私の平日休みが多いことが、まだ小さい子どもがいる家庭の日常生活においてはうまくマッチしている、と言えるかもしれません。でも妻の立場としては平日働いて、土日も夫がいないことも多くあるため、そこは夫婦間でのバランス意識や協力体制、相互理解が必用ともいえます。

ポイント②自分の時間が持てる

趣味・自分の時間

ポイント①とややかぶりますが、自分の時間が確保できます。平日休みも多くあるため、子どもは幼稚園や保育園、学校に行き、妻が働きに行っている場合、その時間はある程度自由に使うことができます。

ただし、これもポイント①に関係する事ですが、土日や祝日の休みに仕事の事も多いため、パートナーに家事を任せきりにするのではなく、お互いに補い合う(例えば平日休みの場合は子どもの送り迎えや食事、洗濯などの家事は担当する)事が必用だと思います。

ポイント③思ったほど給与は悪くない

介護福祉士の給料

一般的に低賃金と言われる介護職ですが、実際のところ思ったほど低くないのではないかと思います。むしろ私の場合は日本の世帯平均年収のど真ん中と言えます。実際どれだけもらってるのよ?!という意見もあると思うので、私の給与明細も公開していますのでそちら↓もご覧ください。

介護職に就いている夫あるいは妻一人の給与では“十分に余裕ある生活・貯蓄ができる”わけではありませんが、共働きであればごく普通の生活が送ることができ、ある程度の貯蓄も可能で、例えば我が家のように、夫の給料は生活費、妻の給料は貯蓄といった家計構築ができます。

ただ、介護福祉士と言っても労働環境はいろいろあり、夜勤のある特別養護老人ホームと夜勤の無いデイサービスを比較した場合では必然的にデイサービスの方が給与は低くなります(夜勤手当が無いので)。

ですがそれも、デイサービスの場合はカレンダー通りの休日が保証されることが多いため、給与を重視するか休日を重視するかというライフスタイルによる差異もあるため、一概にどちらが良いという言い方もできません。

給与と労働量、休日の数は相互に関連している場合が多いですが、介護職は自分の置かれている現状=ライフスタイル(家族がいるか、子どもがいるか、単身か等)によって『どの職場を選ぶか=どれくらいの収入が必用か』をコントロールできる数少ない職種かもしれないと思います。

また、介護職の給与は決して低くないという統計データ上の根拠もあります。それについては↓をご覧ください。

介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算の存在はかなり大きい

介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算を算定している介護施設・事業所では、処遇改善手当として一定額が支給されます。これ、実はかなり大きな金額となります。

無資格・未経験でも一定の給料を稼ぐことができる

介護職とシングルマザー

これは私個人の話ではなく今の特別養護老人ホームという職場の話として、正職員・パート職員含めて、女性職員のうちシングルマザーおよび単身の方が1/3(10人以上)おり、そのうち多くの方が無資格・未経験で入職されています。そしてこれは、私を含み男性職員全員に言えることなのですが、転職組が本当に多くいます。

私の経歴や家庭環境からシングルマザーの方にも合致する事なのですが、要は職務上の経験や資格が無くとも一定の給与がもらえることが介護職の魅力の一つであるのではないかと思います。

実際↑にも記載した通り、給与は決して多くはありませんが、何らかの理由で窮地に立った人にとっては悪い額ではなく、むしろ多いとも言えます。私自身も生活苦を救われた身であるため、こういったことも介護職の魅力の一つなのではないかと思います。

親の介護に役に立つ

実際に親の介護が必要になった際に、心から介護職に就いていて良かったと思いました。

介護あるあるなのかもしれませんが、実際に介護保険制度の恩恵にあずかることになった経験から、それまで介護に携わる事の無かった人にとって初めての介護経験は、まさに『何もわからない闇』と思うかもしれません。それはひとえに日本の介護保険制度の複雑性が原因であるとしか言いようがありませんが、介護に携わったことがある人ならば、多少の知識が大変な助けになると思います。

介護保険の申請から介護サービスの申請まで

ここでは簡単に解説しますが、介護保険という言葉だけでも見知っていた人は運がいいかもしれません。それすら知らない人は、突然親また親近者が介護が必要になった時に、まずどこに問い合わせるでしょうか?むしろ、今自分が置かれている状況が介護保険制度で解決できることなのかどうかすら、判断できないのでは?と思いました。

私が実際に介護保険制度に触れた時に思ったのは、介護保険という制度そのものが『身近でない』と思った事実です。介護保険そのものがまだ新しい制度であり、私の年代では小学生からの教育過程に組み込まれていなかったからかもしれませんが、それを差し引いても制度ありきで進んできた感がいなめず、現状では不親切な制度だと言わざるを得ません。

そして『それって行政の怠慢でないの?』と、介護に携わる身として改めて思い知らされました。繰り返しますが、介護保険制度の仕組みはとても複雑で、介護に初めて携わる者にとってはとても理解しにくい制度です。

ですが、一度とっかかりを見つけると、場合によってはオートマチックにステップを踏めます。矛盾するようですが、問い合わせ先を見つけると、その対応は実に親切で、介護が必要な状況を見つけると、行政は実に丁寧に対応する仕組みを備えているのです。

でもやはり、日本の介護保険制度は未熟そのものだと言えます。私の場合は最低限の知識を持っていたから理解できたのものの、親や兄弟はパニックそのもので、私が行政の仕組みを代弁してやっと『そいういうものなのだ』と理解できていた状況です。その私自身も、行政の説明を受けて初めて理解した内容がたくさんありました。

いずれにせよ、介護の現場で働いていると、実際に自分の親近者で介護が必要な状態になった場合に、とても迅速に対応することが可能な場合があります。そしてそれは、自分自身はもちろん、家族・親近者を大いに助ける術にもなることは、介護従事者であるからこそ『良かった』と思えることかもしれません。

ただ重ねて言わせてもらいますが、介護従事者であったからよかったという制度設定自体が間違っています。人生100年時代において、介護制度が分かりづらいこと自体に問題があることだけは記載しておきます。

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