介護の仕事

ケアマネージャー(介護支援専門員)とは

一般的にケアマネと呼ばれるケアマネージャーですが、正式名称は『介護支援専門員』と言います。ケアマネ―ジャー(以下、ケアマネ)はどのような仕事を行っているのか、どのような立場の人なのか、ここではわかりやすく解説します。

ケアマネージャーは『介護保険のプロ』

ケアマネは、介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるようケアプラン(サービス計画書)を作成することをはじめとして、サービス事業者との調整を行う役割も担っています。

在宅介護の場合、ケアマネとの接点は居宅介護支援事業所や地域包括支援センターとなります。施設に入所されている場合は施設専属のケアマネがいますし、介護用品を取り扱う民間企業にもケアマネがいます。

このように、ケアマネは介護を必要とする方にとって必要な場所、必要な場面に欠かせない存在で、その仕事は在籍している場所にもよりますが、まさに介護保険全般に関わる『介護保険のプロ』と言える存在です。

【ケアマネージャー①】施設のケアマネ

ケアマネだけど食事介助

現在私は特別養護老人ホームで働いていますが、私の施設にいるケアマネの業務を紹介します。

私の施設のケアマネは1名、施設の入所者数は80名です。ケアマネの業務として、80名の利用者のケアプランの作成、見直し、更新を一括管理しているだけでなく、食事介助やオムツ交換、そして月に1回夜勤もされています。

これは、すさまじいバイタリティーを持ち合わせているとしか言いようがありません。失礼ながら、お歳は50歳を過ぎておられ、それでいてこの業務は現場の私から見ても過酷としか言えません。それでも、『ケアマネ業務が机上で終わらないために、実際の利用者を見て、自分で現状を把握したい』と常に言っておられます。まさに、感服せざるを得ません。心から敬意を表します。

ただ、すべてのケアマネがこのような働き方をされいるかと言えばそうではありません。実は、ケアマネの仕事は施設、事業所によって大きく異なります。私が働いている施設のケアマネの場合、自らが望んでそうしているという点もありますが、他の施設では本当に『机上で』ケアマネ業務をしている、あるいはそうせざるを得ない場合もあります。それが正しいかどうかではなく、受け持つ利用者の数が多ければ多いほど事務仕事は増えるわけですし、施設によってはケアマネに対外的な電話対応を全て任せるなど固有の事情もあります。本来なら利用者の実態を把握するために現場に入りたくても、それができないこともあるのが実情です。

【ケアマネージャー②】居宅のケアマネ

介護の虐待

居宅ケアマネの担当利用者数は、35人以下と介護保険法で定められています。『施設ケアマネよりも少ないじゃん!』と思われる方もいるかもしれませんが、居宅ケアマネだからこその苦労もあります。

例ば、居宅介護支援事業所でケアマネが一人の場合、上限35人の利用者およびご家族様からの電話対応を、場合によっては一人でしなくてはいけない場合もあります。その中には、緊急を要するものもあればそうでないものもありますが、従業員数の関係で自分一人しか対応できないこともあります。

また、時として緊急時にスピーディな対応が求められる場合もあり、そういった理由で携帯電話は24時間離さず持っていなくてはいけません。緊急時の連絡が入り、休日に利用者宅に駆け付けることもあります。

これは実際に私が経験したことですが、週末の日曜日の朝6:00頃、ショートステイ利用者の女性の様態が急変し、私は救急車に乗って病院への搬送に付き添いました。ですがその後、そのショートステイ利用者のケアマネージャーに連絡が取れず、さらにその利用者のご家族の特異な事情もあり、私は9:30まで病院に付き添いで居残る必要がありました。
特異な事情も重なって、施設のはからいで私は夜勤終了時の10:15までには施設に戻ることができましたが、居宅ケアマネにとっては週末もすべてが休みではないのだなぁ、と実感する機会となりました。
後日、後からケアマネが病院に駆け付けたという話を聞きました。

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