介護の基礎知識

ADL・IADL・QOLとは

介護に携わるうえで、最低限知っておきたい用語があります。ここでは、ADL、IADL、QOLという用語についてわかりやすく解説します。



ADL(Activity of Daily Life(Living))とは

ADL(Activities of Daily Life)は、一般的には『日常生活動作』と訳されます。日常生活を営む上で、普通におこなっている行為、行動のことです。具体的には食事や排泄、整容、移動、入浴等の基本的かつ日常的な行動をさします。

また、ADLはリハビリテーションや介護の世界で一般的に使われている用語の一つで、要介護高齢者や障がい者等が、どの程度自立的な生活が可能かを評価する指標としても使われます。

『ADLが自立している』

という場合、普通は介護を必要としない状態であると考えることができます。

IADL(Instrumental Activity of Daily Living)

ADLと似ている言葉にIADL(Instrumental Activity of Daily Living)があります。IADLは『手段的日常生活動作』と訳され、日常生活を送る上で必要な動作のうち、ADLより複雑で高次な動作をさします。

例えば具体的な例として、買い物や洗濯、掃除等の家事全般や、金銭管理や服薬管理、外出して乗り物に乗ること等が挙げられます。昨今の比較的新しい介護におけるIADLの解釈では、趣味のための活動も含むと考えられるようになってきています。

高齢者になるとどうしてもADLまでは自身でできたとしても、IADLまでとなると困難が生じてしまうこともあります。高齢者の生活を自立させる為にはIADLについてもしっかりと考えていかなくてはならず、高齢者の生活自立度を評価する際、ADLだけではなく、IADLについても考慮することが必要だと言えます。

QOL(Quolity of Life)

QOL(Quality of Life)は『生活の質』と訳され、人間らしく、満足して生活しているかを評価する概念です。

1970年代のアメリカでは、障害者の人達を中心として、身体障害等によって失われた機能が回復しADLの自立性が回復する見込みがなくても、『社会参加』や『自己実現』が可能だと主張する『IL(Independent Living)』(自立生活)運動が展開されました。

この運動は、1978年にアメリカで制定された『リハビリテーション法』に強い影響を与え、リハビリテーションの目標を、ADLの向上からQOLの向上へ変換させることにつながりました。

このQOL重視の考え方は介護の世界にも波及し、介護の目標も従来のADLよりQOLの向上を目標にすべきだという考え方が主流になってきました。

現在、QOLは介護の世界でも一般的に使われており、「QOLが高い」「QOLを向上する」というような使われ方をします。

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